抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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高強度鋼板の需要の増加と共に,高強度とは相反する特性である加工性,すなわち延性の確保が重要となってくる。延性課題に取り組むためには,変形現象を微視的に捉え転位と格子欠陥の相互作用に対する理解が必要である。これまで鉄鋼材料の転位の研究はTEM法が主流であったが,近年SEM法による電子チャネリングコントラストイメージング(ECCI)法が注目を浴びている。本稿では,最新の反射電子検出器を用いたECCI法による転位観察事例を紹介している。SEMはショットキー型電界放射電子銃を搭載し加速電圧は30KVから100Vの低加速領域まで可変である。反射電子検出器は,対物ポールピースの直下に円環状に設置し観察条件は後方散乱である。鉄鋼材料の観察の結果,1本の転位が単に識別できるだけでなく,TEM観察時と同様にブラッグ回折条件に依存したコントラストを呈するレベルに分解できた。SEMでは広い視野が観察でき,また試料作成も薄片化が必要でないので鋼材の変形部分など薄片化が難しい部位で大きな効果を発揮する。