抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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物体の保持には,重さの知覚と運動制御という2つの要素が関わる。同じ質量だが大きさの異なる2つの物体を保持した場合,小さい方を重く感じる。この現象はsize-weight illusionと呼ばれ,主観的な重さの知覚が実際の重さと異なっていることを示している。EMGから計算されるスティフネスと平衡位置は,関節運動の数理モデルに用いられる概念で,脳が運動器にどのような指令を送ったかを測る指標になると考えられる。本研究では,スティフネスと平衡位置を用いて,保持する対象物の重さの予測が,運動制御に与える影響を調べた。その結果,知覚と同様に,保持している物体が同じ質量であれば,大きさが小さい程,重たいおもりを保持するときのような運動制御が行われることがわかった。これは,手先の変位の大きさを指標に,運動制御がベイズ的であるとした先行研究と異なる結果となった。また,運動制御と知覚は異なる機能系で処理される,という意見もある中で,両者に何らかの関係性があることを示唆している。(著者抄録)