抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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2004年8月1日に荒沢岳(新潟県)において4名が死傷する雪渓崩落災害が発生した。災害直後に行われた現地調査から,雪渓の大規模崩壊は,融雪の進行に伴い雪渓底部に形成されたトンネルが片持ち梁構造となり,その固定端上部の積雪に引張破壊が生じて発生すると推定された。そこで,著者らは雪渓崩落災害の防止対策の確立に向けて,低温室において湿潤高密度積雪を用いた引張破壊実験を行い,引張破壊強度と密度・含水率との関係を調べた。本実験で用いた雪試料は濡れ密度510~855kgm
-3,重量含水率0~16.1%である。実験結果から,湿潤高密度積雪の引張破壊強度は,密度のみならず含水率にも依存することが示され,含水率一定のもとでは密度が大きいほど,密度一定のもとでは含水率が小さいほど引張破壊強度は大きいことがわかった。また,本実験で得られた含水率依存性を乾き雪の引張破壊強度を測定した既往研究の成果に加味することで,密度と含水率を考慮した湿潤高密度積雪の引張破壊強度の推定式を作成した。この推定式は実験結果を良好に再現しており,密度と含水率が与えられれば湿潤高密度積雪の引張破壊強度を推定できることが示された。(著者抄録)