抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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良好な米粉製品の開発を目指し,米粉における最適なミキサーの検討を行った。即ち,米粉生地の物性と製パン性に及ぼすスタンピングミキサーの影響を調べるため,通常のミキサーや製パンに最適とされる市販強力粉を用いて,米粉加工におけるスタンピングミキサーの特性を調べた。市販強力粉においては,吸水量の向上,グルテン形成の改善,パンクラムのガスセルの分散性および明るさの改善など,スタンピングミキサーによる効果が認められた。しかし,米粉の利用においては,スタンピングミキサー独自の効果的な製パンへの影響は見られなかった。即ち,米粉生地の熟成度は市販強力粉に比べて,ミキサーの種類,グルテン添加の有無に関わらず,低下した。また,グルテンを添加するだけでは吸水率の増加(多量の水分を水和する力の向上)を望めないこと,市販強力粉と同レベルの熟成特性は得られないことが推察された。また,米粉は米粉単独の生地であってもその他の製パン材料の添加により市販強力粉レベルのガス発生やその保持力を持ち合わせていた。従って,醗酵特性におけるガス発生量と漏洩量は,ミキサーの種類,グルテン添加の有無,加水率の違いによって大きく影響されないことがわかった。更に,米粉類のパンの膨らみは,グルテン添加の有無,ミキサーの種類に関係なく市販強力粉パンには至らなかった。また,米粉100%パンでは,ミキサーの種類に関係なく他試料よりも有意に硬くなり,グルテン併用によっても安定した保存性向上には繋がらなかった。従って,米粉生地と製パン性においては,スタンピングミキサーに直接起因する安定した熟成や醗酵特性,ならびにパンの品質改善は得られなかった。(著者抄録)