抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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原子力の今後に関する国民的討議を進めるに際しては,福島事故以後の原子力安全をどのように構築し説明するかが重要な課題である。技術的な安全向上方策の導入を説明するだけではこの課題解決はできない。なぜ事故のつど「想定外」という言い訳が繰り返されたのか,福島事故に関しては津波や電源喪失に関する警告への対応が先送りにされたのか,などの疑問が解消されない限り国民の原子力への強い拒絶感は解消されない。この問題に対して本稿では,元々原子力分野で採用されていた深層防護に基づく安全論理は妥当なものであったこと,対象の継時的変化や新知見の導入に関係する「変化」への対応が影響して安全論理の内容が劣化していたこと,したがって今後の安全論理においては「変化」への対処が本質的に重点であることを述べている。そしてこの「変化」への対応の指針としてレジリエンスエンジニアリングという方法論の意義について解説した。(著者抄録)