抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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最近報告されたメタ選択的な炭素-水素単結合(C-H)の官能化について紹介した。電子求引性置換基含有基質ではC-H活性化は進行しにくいが,立体障害の大きな置換基を含有するピリジン誘導体を用いるとPd(OAc)
2触媒とAc
2O存在下メタ選択的にオレフィン化反応が進行した。電子求引置換基としてトリフルオロメチル基,ニトロ,ケトン,エステルなどで位置選択的に反応が進行し,水素引き抜きの際のC-H結合の酸性度が影響している。立体障害による位置制御では,[Ir(COD)(OMe)]
2と4,4′-ジ-t-ブチルビピリジンを用いるm-キシレンにホウ素化の後CuBr
2で臭素化するとメタ選択的に臭素化物が生成した。これは置換基とIr錯体の立体障害による影響が考えられる。また金属錯体触媒による位置制御で,銅触媒Cu(OTf)
2を用いるとN-アリールアミドのアリール化がメタ選択的に起こり,パラジウム触媒を用いるとオルト位で反応が起こり,触媒により位置選択性が制御できる。その反応機構はさまざまに検討されている。そして遠隔位のニトリルを配向性基に用いるメタ選択的カップリングでは側鎖部分に立体的にかさ高い置換基を配置しCN部分をオルト位に近づけることでPdを介して12員環の遷移状態を経て選択的にオレフィン化が進行し,配向性基は水素添加により除去できる。