抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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既往研究において我々の研究グループは,ハウスダスト(室内で採取した埃や塵)中で2,4,6-TriBPhを検出し,室内環境での遍在も確認した。2,4,6-TriBPhは臭素系難燃剤のひとつとされているが,難燃剤としての直接利用の可能性が低い。本研究では,2,4,6-TriBPhを原料としている臭素系難燃剤として1,2-ビス(トリブロモフェノキシ)エタン(BTBPE),TBBPAカーボネートオリゴマー及び臭素化エポキシレジンを対象として,2,4,6-TriBPhの定量分析を実施してその含有量を調査し,発生源としての可能性を言及した。2,4,6-TriBPhはいずれの臭素系難燃剤においても検出され,その含有量は,BTBPEで520ppm,TBBPAカーボネートオリゴマーで130ppm,臭素化エポキシレジンで34ppmであり,総じて含有割合が1%以下であった。一方で,蒸気圧に着目すると,環境排出量は構成主体の臭素系難燃剤より不純物の2,4,6-TriBPhで高いと考えられた。化審法では,今回のような事例について不純物を特定する必要がないため,製品安全シート等にその具体を記載されることがない。しかしながら,2,4,6-TriBPhのように蒸気圧が高く環境放出性の高い化学物質については,使用時や廃棄時における環境や人への曝露制御対策を実施する観点から,不純物として記載されることが望ましい。(著者抄録)