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J-GLOBAL ID：201302296890735810   整理番号：13A0998643

ダブルデッカー型フタロシアニンLn(III)単分子量子磁石を用いた量子分子スピントロニクスの最前線

Frontier in Quantum Molecular Spintronics Based on Double-Decker Phthalocyaninato Ln(III) Single-Molecule Quantum Magnets

著者 (2件)： 山下正廣 (東北大 大学院理学研究科) ,  加藤恵一 (東北大 大学院理学研究科)
資料名： まぐね  (Magnetics Japan)
巻： 8  号： 3  ページ： 133-139  発行年： 2013年06月01日 
JST資料番号： L5842A  ISSN： 1880-7208  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 解説  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 量子分子スピントロニクスの研究を目的として,まずTbなどのランタン族金属元素を中心に持つダブルデッカー型フタロシアニン錯体(LnPc₂)の単分子量子磁石を超高真空下でかつ高温下でAu(111)基板上に蒸着した。走査型トンネル分光(STS)を用いブロッキング温度より低い温度でこれを観察し,近藤効果に基づくSTSの強度変化のピーク即ち近藤ピークを見出した。この近藤ピークはフタロシアニン配位子上のπアニオンラジカルが近藤効果における磁性不純物となることによるものである。このダブルデッカー型フタロシアニン錯体の単分子量子磁石像は9個の島状パターンでできていて,そのパターンの中央が明状態のとき,パルス電流の注入で暗状態になる。これはフタロシアニン配位子上のπアニオンラジカルの消滅による。もう一度パルス電流を注入すれば明状態に戻る。変化が可逆的であることから書き換えのできる単分子メモリーの動作が確認できた。このほか,YPc₂の中心にCsを乗せて文字を書く操作と,TbPc₂とDyPc₂を用いた電界トランジスターデバイスの作製を述べた。

シソーラス用語： *フタロシアニン錯体 ,  ランタノイド ,  磁石 ,  *Kondo効果 ,  *記憶素子 ,  分子 ,  量子論 ,  *スピントロニクス ,  テルビウム ,  超高真空 ,  真空蒸着 ,  基板 ,  温度 ,  スペクトロスコピー ,  配位子 ,  ブロッキング温度 ,  金基板 ,  単分子磁石 ,  走査トンネル電子分光法
準シソーラス用語： 走査型トンネル分光

分類 (2件)： 磁性材料  (NA04040H) ,  分子の電気的・磁気的性質  (BH05032U)

引用文献 (7件)：

• KATOH, K. J. Am. Chem. Soc. 2009, 131, 9967
• KATOH, K. Chem. Asian J. 2012, 7, 1154
• KATOH, K. Dalton Trans. 2010, 39, 4708
• KATOH, K. Coord. Chem. Rev. 2011, 255, 2124
• ROBLES, R. Nano Lett. 2012, 12, 3609

タイトルに関連する用語 (7件)： ダブルデッカー ,  フタロシアニン ,  単分子 ,  量子 ,  磁石 ,  分子 ,  スピントロニクス