文献

J-GLOBAL ID：201402271107900280   整理番号：14A1273069

日本のだしのおいしさと健康への活用

著者 (1件)： 伏木亨 (京大)
資料名： Hasegawa Letter  (Hasegawa Letter)
号： 32  ページ： 02-10  発行年： 2013年08月 
JST資料番号： L4988A  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 解説  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 鰹だしのおいしさと嗜好性,フレーバーに関して解説した。グルーバルなうま味に対してローカルな風味を挙げ,子どもの頃からの経験で風味の好みを獲得することを示した。日本食のおいしさに寄与する鰹だしの構成成分は主にアミノ酸,ペプチド,メイラード反応物等でうま味成分はイノシン酸である。病みつきになる機構はβエンドルフィン等のオピオイドによる「高い栄養価・おいしい」感覚から「欲しい」行動に駆り立てるドーパミンの寄与を示し,鰹だし執着マウスの嗜好性が両物質のアンタゴニスト投与で消失することからも確認できた。フレーバーリストから鰹だしの嗜好性に寄与するにおい成分を100種以上選抜・混合すると,人間の感覚で鰹節らしさが得られ,マウスの嗜好性も見られた。また,マウスの離乳完了前の風味食経験が成長後の嗜好性を著しく高めることも示し,初期経験における香りの重要性を示唆した。

シソーラス用語： *料理 ,  *出し汁 ,  *嗜好性 ,  *フレーバー ,  *旨味 ,  エンドルフィン ,  マウス ,  摂食 ,  成長段階 ,  条件付け ,  *鰹節 ,  ヒト ,  食習慣 ,  健康管理 ,  化学組成 ,  神経伝達 ,  プリンヌクレオチド ,  リボヌクレオチド ,  カテコールアミン ,  第一アミン
準シソーラス用語： β-エンドルフィン ,  *鰹だし ,  経験学習 ,  *日本食

分類 (2件)： 動物性水産食品  (FJ13020C) ,  食品の品質  (FJ01040F)

物質索引 (2件)： イノシン酸 ,  ドーパミン

引用文献 (8件)：

• 熊倉功、伏木亨監修『だしとは何か』アイ・ケーコーポレーション (2012)
• 伏木亨『うま味と匂いのインターラクション : 鰹だしのおいしさを例に』「日本味と匂学会誌」, 16巻 2 号別冊 (2009)
• 『だしの基本と日本料理』柴田書店 (2006)
• 伏木亨『おいしさを科学する』ちくまプリマー新書 (2006)
• 山口静子監修『うま味の文化UMAMIの科学』丸善株式会社 (1999)

タイトルに関連する用語 (4件)： 日本 ,  だし ,  おいしさ ,  活用