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J-GLOBAL ID:201702239373546960   整理番号:17A0495405

塩が和風出汁の旨味および香気成分に及ぼす影響

Effect of Salt on Umami and Flavor Components in Dashi from Kelp and Dried Bonito
著者 (1件):
資料名:
巻: 2015  ページ: 351-358  発行年: 2017年03月 
JST資料番号: L7132A  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 原著論文  発行国: 日本 (JPN)  言語: 日本語 (JA)
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昆布や鰹節を用いた和風出汁作りは長年の経験により確立されたものであると言えるが,現在様々な科学的手法により品質改善などのための取り組みがなされている。一般的に出汁作りにはカルシウムおよびマグネシウム濃度の低い低硬度の水が適していると言われるが,体系的な知見は不足している。本研究では,昆布と鰹節から調製される出汁の旨味および香気成分に及ぼす水の硬度の影響について検討した。昆布5gと硬度の異なる8種の水300mLを60°Cで1時間加熱した。昆布を取り除き,総量が300mLになるまで水を加えて昆布出汁試料を得た。次に,昆布出汁に鰹節10gを加え,85°Cで2分間加熱した。出汁を濾し,ろ液に水を加えて300mLとした鰹出汁試料を調製した。これらの出汁試料のpH,濁度,色調,旨味成分量,アミノ酸組成および香気成分を測定した。昆布および鰹出汁調製後のpHは,いずれも水の硬度が高いほど高くなる傾向が認められ,出汁のpHの硬度依存性は出汁原料によって異なることが示された。また,一定の硬度以下であれば昆布成分による汚濁の影響は小さく,高硬度になると鰹節の影響が無視できるほどの不溶性成分の溶出が生じることがわかった。鰹節出汁のろ液の明度低下は高硬度で抑えられ,彩度や色差も硬度に強く依存した。昆布出汁中のグルタミン酸は,硬度が高くなるにつれ僅かに低下する傾向が示された。一方,鰹出汁中のイノシン酸およびグアニル酸濃度は硬度に依存せず,ほぼ一定の値を示した。鰹出汁のアミノ酸組成においては明らかな傾向は観察されなかったが,酸性および塩基性アミノ酸の溶出量は硬度の影響を受けることが示された。SPME法による出汁揮発成分の分析から,昆布出汁では4つの化合物(3-methylpyridine,7-octen-4-ol,2-nonen-1-olおよび1-dodecanol),鰹出汁では8つの化合物((E,E-2,4-heptadienal,3-methylphenol,(E,Z)-2,6-nonadienal,azulene,(E)-2-octen-1-ol,4-ethyl-2-methoxyphenol,hexadecanoic acidおよびtetradecanoic acid)が高い一致率で検出された。いずれもその検出量に明白な硬度依存性は認められなかったが,一部を除いて概ね硬度の増大とともに面積比が僅かに低下する傾向が示された。出汁の濁度・色調といった外観やpHのような化学的性質は水の硬度の影響を強く受け,さらに旨味および香気成分量も硬度により若干の相違が生じることが明らかとなった。(著者抄録)
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分類 (1件):
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調味料,香辛料 
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