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J-GLOBAL ID：201702243191524804   整理番号：17A0981065

ダイズ大規模栽培における難裂莢性品種の減収軽減効果の解析

Causal Analysis of Yield-increase by Introgression of Shattering Resistance Gene pdh1 in Soybean

著者 (8件)： 山田哲也 (農研機構次世代作物開発研究センター) ,  羽鹿牧太 (農研機構次世代作物開発研究センター) ,  船附秀行 (農研機構西日本農業研究センター) ,  高橋浩司 (農研機構次世代作物開発研究センター) ,  平田香里 (農研機構東北農業研究センター) ,  菱沼亜衣 (農研機構東北農業研究センター) ,  田中淳一 (農研機構次世代作物開発研究センター) ,  田中淳一 (筑波大学大学院生命環境科学研究科)
資料名： 日本作物学会紀事  (Japanese Journal of Crop Science)
巻： 86  号： 3  ページ： 251-257(J-STAGE)  発行年： 2017年 
JST資料番号： G0811A  ISSN： 0011-1848  CODEN： NISAAJ  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 国内のダイズの主力品種である「フクユタカ」および「サチユタカ」の遺伝背景に,難裂莢性遺伝子pdh1と強連鎖するDNAマーカーを利用した連続戻し交雑により,難裂莢性を導入した「フクユタカA1号」および「サチユタカA1号」が育成されている.本研究では,これらの2品種を用いて,2012年から2014年の3ヵ年に,岡山県,兵庫県,愛知県および千葉県の一般圃場および,作物研究所の試験圃場において,コンバイン収穫機を用いた大規模な栽培試験 (計7試験) を実施し,機械化栽培におけるpdh1がもたらす難裂莢性による減収軽減効果を評価した.その結果,難裂莢性品種は原品種に比べて裂莢損失が有意に軽減され,コンバイン収量も難裂莢性品種の方が多かった.難裂莢性による減収軽減効果は試験によって異なり,収穫が遅れた場合など,裂莢損失の多発した試験ほどその効果は大きく,原品種と比較して40%以上の多収となった.また,pdh1による難裂莢性は,自然裂莢損失と,収穫時の裂莢損失の両方を軽減したが,自然裂莢損失を抑制する効果の方がより大きかった.難裂莢性の欠点として,コンバイン内でも裂莢せず,排出口から未脱粒なまま子実が排出される損失が想定されるが,本研究では排出損失は裂莢性の難易に対して一定の傾向が認められず,全子実量の3%以下であった.一般的な収穫条件では難裂莢性品種を原品種と置き換えることで,栽培や加工における対応の必要性を最小限に抑えながら実質的な収量の増加と安定に寄与することが期待できる.(著者抄録)

シソーラス用語： *ダイズ ,  *豆莢 ,  *植物生理病 ,  *戻し交雑 ,  *交雑育種 ,  *作物収量 ,  圃場試験 ,  コンバイン ,  栽培試験 ,  機械化 ,  品種差 ,  種子
準シソーラス用語： *サチユタカ ,  *フクユタカ ,  *裂果 ,  *裂莢性

著者キーワード (14件)： QTL ,  コンバイン ,  収量損失 ,  ダイズ ,  難裂莢性 ,  pdh1 ,  戻し交雑 ,  QTL ,  Machine harvesting ,  Yield loss ,  Soybean ,  Shattering resistance ,  pdh1 ,  Backcross breeding

分類 (3件)： 豆類  (FC03035U) ,  植物の生理的障害一般  (FC04031L) ,  作物の品種改良  (FC02030G)

引用文献 (13件)：

• Funatsuki, H., Ishimoto, M., Tsuji, H., Kwaguchi, K., Hajika, M. and Fujino, K. 2006. Simple sequence repeat markers linked to a major QTL controlling pod dehiscence in soybean. Plant Breed. 125: 195-197.
• Funatsuki, H., Hajika, M., Hagihara, S., Yamada, T., Tanaka, Y., Tsuji, H., Ishimoto, M. and Fujino, K. 2008. Confirmation of the location and the effects of a major QTL controlling pod dehiscence, qPDH1, in soybean. Breed. Sci. 58: 63-69.
• Funatsuki, H., Hajika, M., Yamada, T., Suzuki, M., Hagihara, S., Tanaka, Y., Fujita, S., Ishimoto, M. and Fujino, K. 2012. Mapping and use of QTLs controlling pod dehiscence in soybean. Breed. Sci. 61: 554-558.
• Funatsuki, H., Suzuki, M., Hirose, A., Inaba, H., Yamada, T., Hajika, M., Komatsu, K., Katayama, T., Sayama, T., Ishimoto, M. and Fujino, K. 2014. Molecular basis of a shattering resistance boosting global dissemination of soybean. Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 111 (50): 17797-17802.
• 北海道立総合研究機構 2002. 道央・上川地方における大豆「ユキホマレ」の栽培法とコンバイン収穫適性. http://www.agri.hro.or.jp/center/kenkyuseika/gaiyosho/h14gaiyo/2002006.htm (2015/9/24 閲覧).

タイトルに関連する用語 (6件)： ダイズ ,  大規模 ,  栽培 ,  裂莢性 ,  品種 ,  解析