抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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近年,水産物の消費量が減少傾向にある中,サケ・マス類は横ばい傾向で推移している。これはノルウェーなどが積極的に日本に輸出していることなどが大きな要因である。サケ・マスの生食需要を背景に,国内でも各地でサケ・マス類の海面養殖が始まり,「ご当地サーモン」としてブランド化が図られている。ブリ・マダイ養殖が盛んな愛媛県愛南町でも,2014年からサツキマスの試験養殖を開始した。サツキマスはアマゴの降海型で,愛南町にはアマゴの飼育業者がいるため「山」で育ったアマゴを「海」でサツキマスに成長させる「愛南町一貫生産」というコンセプトで商品化を進めている。現状として「ご当地サーモン」は乱立状態にある。各産地では如何に商品の差別化を図っていくかが至上命題となる。この養殖サツキマスの味の評価や実需者のニーズを明らかにすることが非常に重要である。本研究では,愛南町で養殖されたサツキマスの試食アンケートを実施し,強みや課題,差別化の方向性等を考察した。結果,臭いについては「やや臭い」という回答が最も多かった。これは締めてからの日数も影響するが,養殖したサツキマス特有の臭いであるとも考えられる。このアンケートでは「臭い」の部分に課題が残ることがわかり,今後は餌や締め方,鮮度維持の方法等で改善が必要であると示唆された。養殖サツキマスが将来にわたって収益を確保し続けられるビジネスモデルの構築が重要であると考える。(著者抄録)