抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究では,筆者らが提案した3次元リサージュ曲線の湾曲度から計算される新しい非線形粘弾性(NLVE)指標を用いて,紫外線防止フィルムの保護効果を評価した。3次元リサージュ曲線とは,動的粘弾性測定による測定点(歪γ,歪速度γ<sup>&</sup>,応力σ)を1周期分つなぎ合わせた閉曲線を指し,NLVE指標は,ゴム材料の非線形度合いを3次元リサージュ曲線の外角の総和Θによって定量化したものである。天然ゴムを紫外線防止フィルムで保護した場合,フィルムの種類によって,劣化後の天然ゴムの非線形度合いに違いが見られるかをNLVE劣化指標ΔΘ<sub>sum</sub>(各最大歪γ<sub>0</sub>における紫外線照射前後のΘの差の積算値)によって比較した。紫外線防止効果の実性能が異なる2種類のフィルムで比較したところ,実性能の高いフィルムではΔΘ<sub>sum</sub>が小さいことが分かった。このことから,ΔΘ<sub>sum</sub>はフィルムの実性能に直結した指標となり得ることが示唆された。(著者抄録)