抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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2018年7月,台風Prapiroonによる豪雨が西日本を襲い,広島県において地すべりや土石流のような多くの土砂災害を引き起こした。広島県南部では,約8,500か所で斜面崩壊が発生し,土砂災害の総数は約1,250か所と報告されている。そこで砂防学会および中四国支部の会員が,広島市,安芸郡,呉市および東広島市において踏査を実施した。安芸郡の川角地区においては,コアストーンと思われる直径約10mの巨礫が渓流を流下し,下流側では直径6mの岩塊が住宅を破壊したと考えられる。安芸郡坂町小屋浦地区では,古い石積み砂防堰堤が破壊された。堰堤の上流での調査から流出量を推定し,堰堤周辺の流れの痕跡から流れの過程を考察した。その結果,堰堤の破壊過程は以下の通りであることを示した。まず土石流の前面部分に積み上げられた巨礫が激しく衝突し,右岸側の袖壁を破壊し,その後石積みが連続的に剥ぎ取られた。さらに,小屋浦地区のいくつかの河川で土石流が発生し,下流の住宅地域において土砂が1~1.5m堆積した。東広島市の黒瀬町では,広島国際大学の周辺で多くの崩壊と土石流が発生したが,幸いに犠牲者は無かった。黒瀬町では,およそ15度の緩やかな斜面を有する山体の山頂部と尾根部から大部分の崩壊が発生しているように思われた。(翻訳著者抄録)