抄録/ポイント：
抄録/ポイント
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働く親の数が増加するにつれて,そして児童保育の要望増加につれて,親が働いている間の放課後或いは季節休暇における,学齢児童に対する「代替ホームベース」としての施設が必要となる。しかし,日本で1997年に施行された児童福祉法に基づく学齢児童保育システムは,有効施設提供の数でも質でも共に十分ではない。この要求に応える一つの解決策は,既設の民間建物の有効利用を増やすことである。2016年の厚生労働省の統計によれば,現在,これらの施設の20%だけが民間建築を利用している。本研究では,現在の施設条件と既存の民間建築物を学齢保育のために変換するプロセスを分析した。分析は,2015年に実施された大阪市における放課後学童保育センターの8人のスタッフとのインタビューとアンケートに基づいている。分析によると,既存の民間建築物を利用するプロセスは,3つのフェーズから成っている。フェーズ1では,オーガナイザーが自分自身で施設を見出す必要があるが,子供の活動に適合する施設を見つけることは極めて困難である。このため,地方自治体からの支援によって,施設の空き具合と利用可能性に関する情報を得ることが必要である。その施設はある条件に適合しなければならない問題がある:すなわち,遊び場が近くにあり,台所が利用可能であり,デイケアの子供の数に十分な空間がある。さらに,学校と遊び場からの適切な距離に位置し,賃貸が可能である必要がある。フェーズ2では,その施設は一般的に劣化しており,他の利用目的のために計画されているので,利用前に改修を必要とする。アンケートの結果では,利用者が費用を負担して施設が改善されたことを示している。全事例において,それらは内装の再生に払われていたが,4例は施設再生にも支払われていた。しかし,限られた予算のために施設は十分に再生できなかった。このため,耐震補強と非常口に対する資金提供は,行政よりなされるべきである。第3フェーズでは,施設が子供の家庭代替施設として想定されるように,長期的な占有を確保することが課題である。アンケートの結果では,利用者が平均して10年ごとに1回または2回の再配置を経験したことを示した。したがって,適切な施設と適切な改修を選択することは,再配置のための主な理由が,所有者または近隣によって要求され,不適切な施設に移動することの要求であるが,利用の期間を延長することができた。結果として,現在の施設の80%以上が厨房,W.C,および休憩空間が十分であることを示している。一方,施設の60~80%は非常口と避難経路,作業空間,出入口,倉庫,運動空間を分離し,空間を変化させた。60%未満がサンルームとシャワーを有していた。解析によれば,本研究では十分な施設改善のために10箇所の改善が必要である:・全部の職員と子供が集まれる居間,・動的活動と静的活動を分離する空間,・子供達を監視するのに十分な視界,・子供達の数に対応する便器,・料理ができる厨房,・子供達が利用できる出入口,・キャンプとバザーのための機器及び材料の倉庫,・門から玄関の間のアクセス,・玄関とは別の非常口及び避難路,・騒音防止設備。(翻訳著者抄録)
