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J-GLOBAL ID：202002219022530244   整理番号：20A0447072

ヘリウム4の通常液体と超臨界流体への経路積分的アプローチ

著者 (1件)： 衣川健一 (奈良女大 理)
資料名： アンサンブル  (分子シミュレーション学会誌)
巻： 22  号： 1  ページ： 14-21  発行年： 2020年01月31日 
JST資料番号： L8101A  ISSN： 1884-6750  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 経路積分セントロイド分子動力学計算によって,ヘリウム4の通常液体の輸送係数の計算と超臨界流体の物性解明の2つのテーマの研究を行った.2.2K以上の通常液体に対して輸送係数を計算したところ,熱伝導率,ずり粘性係数の実測の再現性は良好であった.一方,ヘリウム4の超臨界流体については,古典超臨界流体と同様にWidom線,Frenkel線による液体様・気体様状態の区別が可能であった.新規に定義した動的尺度からは亜臨界状態が検出された.古典系にないこの系の特徴は,換算温度圧力平面上でWidom線の傾きが緩いこと,液体様流体の定圧熱容量が顕著に低いことである.これらはいずれも,液体様状態における温度上昇とともに減少する運動エネルギー,あるいはFeynman虚時間経路の平均自乗変位の最大振幅の温度依存性によって説明することができた.Widom線は量子性状態境界でもあることを明らかにし,それを跨いだ詳細状態間クロスオーバーと原子の波動性・量子性との間の関係を解明した.(著者抄録)

シソーラス用語： *ヘリウム4 ,  *経路積分 ,  *分子動力学 ,  液体 ,  超臨界流体 ,  輸送係数 ,  量子効果 ,  熱容量 ,  熱伝導率 ,  ずり粘度 ,  臨界点 ,  定圧熱容量 ,  係数 ,  度
準シソーラス用語： セントロイド分子動力学

分類 (2件)： 一成分系の相平衡・状態図  (CB03013K) ,  液体の輸送現象一般  (BL06011A)

引用文献 (28件)：

• 1 M. Boninsegni, N. Prokof'ev, and B. Svistunov, Phys. Rev. Lett. 96, 105301 (2006).
• 2 H. Imaoka and K. Kinugawa, Chem. Phys. Lett. 671, 174 (2017).
• 3 A. Takemoto and K. Kinugawa, J. Chem. Phys. 149, 204504 (2018).
• 4 J. Cao and G. A. Voth, J. Chem. Phys. 100, 5106 (1994).
• 5 Y. Yonetani and K. Kinugawa, J. Chem. Phys. 119, 9651 (2003).

タイトルに関連する用語 (3件)： ヘリウム4 ,  超臨界流体 ,  経路積分