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J-GLOBAL ID:202002292438378393   整理番号:20A0675223

熱撮像によって明らかにされた始原的小惑星の多孔質な物質的特性

Highly porous nature of a primitive asteroid revealed by thermal imaging
著者 (99件):
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巻: 579  号: 7800  ページ: 518-522  発行年: 2020年03月26日 
JST資料番号: D0193B  ISSN: 0028-0836  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 原著論文  発行国: イギリス (GBR)  言語: 英語 (EN)
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炭素質(C型)小惑星は,約46億年前に形成された当時の始原的物質を現在も保存する太陽系初期からの化石である。それらは,おそらく炭素質コンドライトに似た物質であり,惑星形成過程を理解するために極めて重要である。しかし,炭素質コンドライト隕石は地球大気への突入で崩壊し,ほとんど残らないため,その物理的特性はよく分かっていない。本論文では,小惑星探査機「はやぶさ2」に搭載された中間赤外線カメラ(TIR)によって撮像された,C型小惑星162173Ryugu(リュウグウ)の全球の1自転分の熱画像について報告する。この熱画像からは,小惑星の岩塊とその周辺土壌が同じような温度であることが示され,熱慣性はおよそ300J m-2s-0.5K-1(300tiu)と算出された。リュウグウの表面がレゴリスと稠密な岩塊で構成されているとの予測に反して,この低い熱慣性は,岩塊が典型的な炭素質コンドライトよりも空隙率が高く,その周辺土壌が直径が10cm以上の多孔質な破片によって覆われていることを示唆する。そうした多孔質な破片の存在は,低高度からの近接熱撮像によって確認された。また,表面温度の1日の変化が平坦であるという特徴は,表面凹凸の影響が強力なためと示唆される。近接熱撮像中にはさらに,日中に周辺土壌より低温となる岩塊が発見されており,その熱慣性は600tiuを超え,典型的な炭素質コンドライトと同様に稠密な岩塊に相当する。これらの結果から,リュウグウの形成史が制約される。リュウグウは,それほど圧密を受けていない,空隙率が約30~50%と高い母天体の衝突破砕物から形成されたラブルパイル天体に違いない。稠密な岩塊の起源は,圧密を受けた母天体の中心部か,外部の天体である可能性がある。この高空隙率の小惑星は,ふわふわした宇宙塵から稠密な天体へと成長する過程の途中段階を具現するものかもしれない。Copyright Nature Japan KK 2020
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