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J-GLOBAL ID：202202263872557173   整理番号：22A1011378

多様な放射線損傷ヌクレオシドを指標とする新たな照射食品検知法の開発

Detection of the irradiation history of foods by measurement of modified nucleosides

著者 (4件)： 高取聡 (大阪健康安全基盤研) ,  福井直樹 (大阪健康安全基盤研) ,  北川陽子 (大阪健康安全基盤研) ,  古田雅一 (大阪府大 研究推進機構 放射線研究セ)
資料名： 浦上財団研究報告書  (Urakami Foundation Memoirs)
巻： 29  ページ： 44-50  発行年： 2022年03月22日 
JST資料番号： L0210A  ISSN： 0915-2741  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 5,6-ジヒドロチミジン(DHdThd)及び5,6-ジヒドロ-2′-デオキシウリジン(DHdUrd)を測定するために液体クロマトグラフィー-タンデム質量分析(LC-MS/MS)を用いて植物性及び動物性食品の照射履歴を検出する方法を開発した。DHdThdとDHdUrdは,食品において,それぞれ,DNAの2′-デオキシチミジン(dThd)と2′-デオキシシチジン(dCyd)部分からのγ線照射により形成される修飾ヌクレオシドである。陰性イオン交換カラム(Genome-tip;QIAGEN)を用いて精製する前に,カオトロピックイオン,プロテイナーゼK,RNアーゼAおよびセルラーゼを含む緩衝液を用いて,DNAを食品から抽出した。得られたDNAを酵素的に消化してヌクレオシドを形成し,限外ろ過膜で精製し,LC-MS/MSによる分析のための溶液を調製した。DHdThdとDHdUrdは放射線特異的に形成され,試験溶液中のDHdThd/dThdとDHdUrd/dCydの比率は照射試料において用量依存的に増加した。これらの比は試料の照射履歴の検出に適している。DHdUrd/dCydの量は照射試料中のDHdThd/dThdの約1/10であった。したがって,DHdUrd/dCydはDHdThd/dThdの補助指標であった。DHdThd/dThdは,凍結による長期貯蔵と照射牛肉肝臓試料中において加熱にロバストであった。他の照射試料から開発した全DHdThd/dThdの用量応答曲線を用いて,牛肉肝臓試料の照射線量を推定した。動物(肉,魚,エビ,および魚卵)および植物(カヤンコショウ,パプリカ粉末,クミン,バジル,オオムギの若い葉,パーセリー,およびマッシュルーム)起源の食品の照射履歴は,この方法を用いてうまく検出でき,このプロトコルが様々な食品におけるこの種の分析の可能性を有することを示した。(翻訳著者抄録)

シソーラス用語： 照射損傷 ,  *ヌクレオシド ,  *照射食品 ,  *食品検査 ,  食品分析 ,  食品汚染 ,  *食品照射 ,  ロバスト性 ,  LC-MS分析 ,  タンデム質量分析 ,  DNA【核酸】 ,  γ線照射
準シソーラス用語： LC-MS/MS分析 ,  放射線損傷

分類 (3件)： 食品の検査・取締り  (FJ01054G) ,  食品の汚染  (FJ01053P) ,  食品照射  (FJ03050E)

物質索引 (2件)： 5,6-ジヒドロチミジン ,  5,6-ジヒドロ-2′-デオキシウリジン

引用文献 (4件)：

• Fukui, N., Takatori, S., Kitagawa, Y., Okihashi, M., Ishikawa, E., Fujiyama, T., Kajimura, K., Furuta, M., Obana, H.; Determination of irradiation histories of raw beef livers using liquid chromatography-tandem mass spectrometry of 5,6-dihydrothymidine. Food Chem., 216, 186 (2017).
• Fukui, N., Takatori, S., Kitagawa, Y., Fujiwara, T., Ishikawa, E., Fujiyama, T., Kajimura, K., Furuta, M., Obana, H.; Rapid and reliable method for determining irradiation histories of ground beef and prawns by measuring 5,6-dihydrothymidine. J Agricul. Food Chem., 65, 9342 (2017).
• 高取聡,福井直樹,藤原拓也,北川陽子,梶村計志, 石川悦子,古田雅一;放射線損傷ヌクレオシドであるジヒドロチミジンを指標として照射食品を検知する,放射線と産業,146,30(2019).
• Fujiwara, T., Fukui, N., Kitagawa, Y., Kajimura, K., Obana, H., Ishikawa, E., Furuta, M., Takatori, S.; Estimation of irradiation doses of raw beef liver samples using 5,6-dihydrothymidine as an irradiation marker. ACS Omega, 4, 12325 (2019).

タイトルに関連する用語 (6件)： 放射線損傷 ,  ヌクレオシド ,  指標 ,  照射食品 ,  検知法 ,  開発