抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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女子大学生を対象として複数の飲用乳をサンプルとした嗜好型官能評価を行うことで,商品名やパッケージデザイン,原材料などの商品情報が商品の評価にもたらす期待効果の影響について検討した。商品名に「おいしい」という単語が使われている成分無調整牛乳,成分無調整牛乳に似た味わいの乳飲料,すっきりとした味わいの乳飲料,濃厚な味わいの乳飲料の4サンプルについて,パネルを2グループに分け,各グループに3サンプルずつブラインド評価およびオープン評価による嗜好型官能評価と牛乳に関するアンケートを実施した。4サンプルのうち,成分無調整牛乳および成分無調整牛乳に似た味わいの乳飲料を共通サンプルとし,残りの対照的な風味特徴を持つ2つの乳飲料はグループ別サンプルとした。嗜好型官能評価では,風味特徴6項目と総合評価について評価した。全サンプルのブラインド評価結果の総合評価を従属変数,風味特徴6項目を独立変数とした重回帰分析の結果から,総合評価を予測するための説明力のある有意な重回帰式が得られた。得られた重回帰式にオープン評価結果の風味特徴の平均値を代入してオープン評価予測値を算出し,総合評価についてグループ別サンプルごとのブラインド評価実測値,オープン評価実測値,オープン評価予測値から商品情報の期待効果について検討した。また,ブラインド評価とオープン評価の比較結果からも期待効果について検討した。成分無調整牛乳および成分無調整牛乳に似た味わいの乳飲料は商品情報を開示したことによる正の期待効果が働き,すっきりとした味わいの乳飲料や濃厚な味わいの乳飲料は負の期待効果が働いた可能性が示唆された。商品情報によってその商品に対する評価が上下する可能性があり,新商品開発の際には商品そのものだけでなく,商品情報に関する検討も重要であることが示唆された。(著者抄録)