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J-GLOBAL ID：201702288052891141   整理番号：17A0286215

サツマイモ品種「こなみずき」澱粉製造におけるpH調整が澱粉品質に与える影響

著者 (4件)： 時村金愛 (鹿児島県大隅加工技術研究セ) ,  久米隆志 (鹿児島県農業開発総合セ 大島支場) ,  藤田清貴 (鹿児島大 大学院連合農学研究科) ,  北原兼文 (鹿児島大 大学院連合農学研究科)
資料名： 応用糖質科学  (Bulletin of Applied Glycoscience)
巻： 7  号： 1  ページ： 29-34  発行年： 2017年02月20日 
JST資料番号： L7982A  ISSN： 2185-6427  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： サツマイモ品種「こなみずき」の澱粉製造において,塊根磨砕物のpHを変えて調製した澱粉の白度や粘度特性等を測定し,pH調整が澱粉の品質に与える影響を調査した。モデル実験では,「こなみずき」塊根を磨砕した磨砕物に水酸化カルシウム[Ca(OH)₂]飽和水溶液を添加してpHを6.4~9.0の範囲で調整してから澱粉を調製した。無添加のpH6.4で調製した澱粉は白度が84.9であるのに対して,弱アルカリ(pH7.8~9.0)で調製した澱粉は白度が87.3~88.3と向上した。一方,RVAによる粘度上昇温度は58.4~59.9°Cの範囲にあり,また澱粉ゲル(わらびもち)や澱粉糊液の付着性や粘弾性においても大きな変化はなく,pH調整が澱粉の粘度特性や物性に与える影響は認められなかった。次に,澱粉製造工場における磨砕工程にpH調整を適用した結果,塊根磨砕後のpHを8.8に調整して製造した澱粉は91.7と高い白度の値を示した。また,磨砕工程でのpH調整が澱粉の粘度特性に与える影響は小さく,澱粉白度が向上した澱粉はポリフェノール吸着量の目安となるアルカリ着色度の値も低かった。これらのことから,栽培環境のストレスによりポリフェノール含量が高まった「こなみずき」塊根であっても,磨砕工程のpH調整によって澱粉へのポリフェノール吸着が抑制され澱粉白度を向上できることが明らかになった。(著者抄録)

シソーラス用語： サツマイモ ,  栽培品種 ,  *芋類澱粉 ,  調整 ,  品質 ,  多価フェノール ,  吸着 ,  pH依存性
準シソーラス用語： こなみずき ,  *さつまいも澱粉 ,  pH制御 ,  食品品質 ,  ポリフェノール ,  分子吸着

分類 (1件)： 澱粉  (FJ05030W)

引用文献 (16件)：

• 農林水産省政策統括官付地域作物課:国内産いもでん粉の計画生産数量と生産実績の推移,平成27年度版いも・でん粉に関する資料,pp.212(2016). http://www.maff.go.jp/j/seisan/tokusan/imo/siryou.html, 2016.10.28)
• 農林水産省政策統括官付地域作物課:かんしょの用途別消費の推移,平成27年度版いも・でん粉に関する資料,pp.27-31(2016). (http://www.maff.go.jp/j/seisan/tokusan/imo/siryou.html, 2016.10.28)
• 独立行政法人農畜産業振興機構:国内で生産されるいもでん粉の仕向け先,日本のでん粉事情,pp.7(2014). (http://www.alic.go.jp/content/000088026.pdf, 2016.10.28)
• 片山健二,境哲文,甲斐由美,中澤芳則,吉永優:サツマイモ新品種「こなみずき」の育成,九州沖縄農研報告,58,15-36(2012).
• K. Tokimura, K. Fujita and K. Kitahara: Physicochemical properties and food uses of starch from the new sweetpotato cultivar Konamizuki. J. Appl. Glycosci., 64, 1-8.

タイトルに関連する用語 (4件)： サツマイモ ,  品種 ,  澱粉 ,  pH調整