抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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CI・CM・CRコンドライトなどに含有される最大で数wt.%の有機物は,母天体での水質変成作用に伴い,より複雑化かつ高分子化したと考えられているが,この過程に層状ケイ酸塩鉱物をはじめとする特定の鉱物が関与した可能性が指摘されている。本研究の目的は,走査型透過X線顕微鏡(STXM)および透過型電子顕微鏡(TEM)という2つの顕微分析機器を用いて,両者の共進化過程をより詳細に理解することである。Tagish Lakeおよび3種のCIコンドライトの超薄切片計9枚について,STXMを用いたC,Fe-X線吸収端近傍構造(C,Fe-XANES)スペクトルによる分析を行い,得られたスペクトルのピーク強度比を比較した結果,(i)これらが同一フラグメント・隕石内ではおおよそ近い値となること,(ii)有機物の分子構造とFe(III)の比率との間には一定程度の相関があることなどが確認された。このような結果は,共存する鉱物や水質変成作用の程度の相違に起因している可能性がある。(著者抄録)