抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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先端半径5および3nmのSi探針をCoおよびFe-B合金膜で被覆することにより,磁気力顕微鏡(MFM)探針を作製し,被覆膜厚,被覆前のSi探針半径,および被覆膜の表面起伏がMFM分解能に及ぼす影響について調べた。分解能は探針形状および信号検出感度により影響された。被覆磁性膜厚の増加に伴い,被覆膜の残留磁化値が増大し,MFM信号検出感度が向上した。しかし,MFM探針の先端曲率半径が増大し,MFM分解能の低下を招いた。先端曲率半径5nmのSi探針を用いた場合,Co膜を18nm被覆したMFM探針で9.0nmの分解能が得られた。先端曲率半径が3nmのSi探針を用いた場合,分解能が7.8nmに向上した。また,Coの代わりにFe
82B
18合金の被覆膜(20nm)を用いることにより,MFM分解能が7.3nmまで改善された。Fe
82B
18膜は非晶質でSiに対する濡れ性が良いためMFM探針の表面起伏が改善され,滑らかで鋭い先端曲率を持つMFM探針を作製できた。本研究により高分解能なMFM探針の作製では,高い残留磁化値を持ち,かつ先鋭で滑らかな表面を持つ探針の実現が重要であることが示された。(著者抄録)