抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
3d強磁性遷移金属(Fe,Co,Ni)およびこれらの合金の薄膜をMgO,SrTiO<sub>3</sub>,および,GaAsの(100)単結晶基板上に形成し,RHEED,XRD,および,TEMにより成長機構および構造を調べた。いずれの基板上においても,bcc構造を持つFe,Fe<sub>65</sub>Co<sub>35</sub>,Fe<sub>50</sub>Co<sub>50</sub>,Fe<sub>80</sub>Ni<sub>20</sub>(at.%)膜が形成された。MgO基板上に300°Cより高温でエピタキシャル成長したCo膜は,hcp構造を持ち,(11<span style=text-decoration:overline>2</span>0)が基板面と平行に配向した双晶から構成された。一方,100°Cで形成したエピタキシャル膜は,hcp(11<span style=text-decoration:overline>2</span>0)結晶に加え,fcc(100)結晶を含む混合結晶から構成された。MgO基板上に形成したCo<sub>80</sub>Ni<sub>20</sub>膜では,成長温度に関わらず,hcp(11<span style=text-decoration:overline>2</span>0)およびfcc(100)の複合結晶が形成された。NiおよびNi<sub>80</sub>Fe<sub>20</sub>膜においても,fcc(100)結晶に加え,準安定なhcp(11<span style=text-decoration:overline>2</span>0)結晶が形成された。膜厚の増加に伴い,hcp-Niおよびhcp-Ni<sub>80</sub>Fe<sub>20</sub>結晶は(0001)最密充填面のすべりにより安定なfcc(110)結晶に変態する傾向が認められた。SrTiO<sub>3</sub>基板上にエピタキシャル成長したCo,Co<sub>80</sub>Ni<sub>20</sub>,Ni,および,Ni<sub>80</sub>Fe<sub>20</sub>膜はfcc構造を持った。GaAs基板上におけるCo,Ni,および,Ni<sub>80</sub>Fe<sub>20</sub>膜の成長初期段階においては,準安定なbcc結晶がヘテロエピタキシャル成長により安定化された。しかしながら,膜厚の増加に伴い,準安定bcc結晶も{110}最密充填面のすべりにより安定なfcc結晶に変態した。MgO基板上にエピタキシャル成長した膜の歪は,格子ミスマッチが3~17%と大きいにも関わらず,非常に小さいことがXRD解析により示された。ミスマッチを低減させるために,膜と基板の界面付近の膜中において,多くのミスフィット転位が導入されることが高分解能断面TEM観察により分かった。(著者抄録)