抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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L1<sub>0</sub>構造を持つエピタキシャルFePd,FePt,および,CoPt合金薄膜を超高真空RFマグネトロンスパッタリング法によりMgO,SrTiO<sub>3</sub>,LaAlO<sub>3</sub>の(001)単結晶基板上に形成した。c軸方向と膜表面平坦性の制御を試みた。MgOとSrTiO<sub>3</sub>基板上に形成したFePd膜はc軸が面直に向いたL1<sub>0</sub>(001)単結晶膜であるのに対し,LaAlO<sub>3</sub>基板上に形成したFePd膜およびいずれの基板上に形成したFePtとCoPt膜では,L1<sub>0</sub>(001)結晶に加え,c軸が面内に存在する2種類のL1<sub>0</sub>(100)結晶が形成された。膜と基板材料の組み合わせを選ぶことにより,c軸方向を面直にすることができることが示された。また,CoPt<FePt<FePdの膜材料順およびLaAlO<sub>3</sub><SrTiO<sub>3</sub><MgOの基板材料順により高い規則度が得られた。L1<sub>0</sub>構造を持つ平坦膜を形成する手法として,基板温度200°Cでの製膜後に600°Cの熱処理を施す2段階法を提案した。2段階法を用いてMgO基板上にFePd膜を形成した場合においても,c軸方向が面直となるように制御できた。2段階法と基板温度600°Cで製膜を行う1段階法を用いて形成した膜は同程度の規則度を持つことが分かった(S=0.6-0.7)。2段階法を用いた場合,5~40nm厚の膜で,算術平均粗さが0.2nm以下の平坦表面が実現された。一方,1段階法で形成した膜では,ファセットが発達した起伏を持った表面が形成された。L1<sub>0</sub>構造を持つ極薄平坦膜の形成法として,2段階法が有効であることが示された。(著者抄録)