抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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(ア)千葉県の茶樹における放射性セシウムの動態解明:a)茶樹の部位別放射性セシウム濃度と存在量の経年変化:中切りの低減対策を実施した茶園及び放任管理の茶園において,2011~2014年度の茶樹の放射性セシウム濃度及び存在量の変化を明らかにするため,低減対策,摘採,管理作業等が樹体の放射性セシウムの低減に与える影響を検討した。その結果,放射性セシウム沈着量が10,000kBq/10a程度の茶園では,樹体の放射性セシウムの低減に及ぼす影響は,中切りによる低減対策と落葉等の自然脱落,次いで整枝による枝葉の除去,降下した年の摘採の順で大きいと推察された。b)台切りした茶樹における放射性セシウムの動態:放射性セシウムの低減対策として中切りを実施した茶樹において,根からの吸収の有無を明らかにするため,台切りを実施し,その直後と1年後の茶樹の部位別の放射性セシウム濃度及び存在量を比較検討した。その結果,新生器官から検出された放射性セシウムは,台切り後に枝葉が伸長することにより,台切り部,地下部から新生器官へと移行したものと思われ,台切り後1年間では,茶樹における放射性セシウムの外部からの付着,吸収や除去及び
137Cs存在量の変化がほとんどなかったことから,根による土壌からの放射性セシウムの吸収はほとんどないものと推察された。(イ)千葉県の茶園土壌における放射性セシウムの動態解明:現地において低減対策を実施した茶園及び放任管理の茶園において,有機物層及び土壌の放射性セシウムの動態を明らかにするため,樹冠及びうね間を深さ別に濃度及び存在量を調査し,比較検討した。その結果,樹冠下の有機物層の
137Cs濃度は深さ0~5cmの土壌に比べて2012~2014年の3年間を通じて1.4~23.8倍と高かった。3年間で
137Cs濃度は有機物層では概ね低下傾向にあるのに対し,樹冠下の深さ0~5cmの土壌では上昇傾向にあり,深さ5~25cmではほとんど変化はなかった。
137Cs存在量もほぼ同様な傾向にあった。有機物層に含まれる放射性セシウムが,直下の土壌へと徐々に移動している状況が確認された。(ウ)千葉県におけるせん枝及び樹体洗浄による放射性セシウム低減効果の実証:中切りにより荒茶の放射性セシウム濃度は著しく低下し,高い低減効果が実証された。(著者抄録)