抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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登熟期の暗呼吸による炭水化物消費の抑制は収量の向上に貢献すると考えられる.登熟期に茎葉部の貯蔵炭水化物の再転流が少ない品種や,穂の乾物増加速度に対して暗呼吸速度が低い品種では,暗呼吸による炭水化物の消費が小さいと考えられる.そこで,穂重増加に対する茎葉部重減少の割合(ΔS/ΔE)を炭水化物の再転流の指標とし, 2000年には,ΔS/ΔEが異なるイネ4品種,2003年には2品種を用い,ΔS/ΔEの品種間差異が茎葉部の暗呼吸の効率に及ぼす影響,ならびに穂の乾物増加速度に対する穂の暗呼吸速度の品種間差異について検討した.両年とも南京11号はΔS/ΔEが高く,再転流の大きい品種であった.茎葉部の暗呼吸速度と炭水化物の転流速度との関係は,両年とも同一直線で回帰され,茎葉部の暗呼吸速度は,ΔS/ΔEに関わらず,炭水化物の転流速度に比例して増加した.一方,穂の暗呼吸速度は,同一品種では,乾物増加速度に比例して増加したが,同じ乾物増加速度で品種間を比較すると,南京11号に比べて台農67号で低かった.以上より,炭水化物の再転流の品種間差は,転流に関わる茎葉部暗呼吸の効率に影響しないこと,さらに,穂の乾物増加に関わる暗呼吸の効率は品種間で大きく異なることが明らかになった.(著者抄録)