抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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近年米粉パンが注目されているが,その製パンメカニズムは十分に解明されていない。米粉パンではタンパク質成分の違いから小麦粉パンのようにグルテンは形成されにくいが,米タンパク質でもS-S結合によってグルテンのような構造が形成され,それがパンの膨張性に関与する可能性があるのではないかと考えられた。本研究では,網羅的解析手法であるプロテオミクスを用いて,タンパク質のS-S結合と米粉パンの膨張性との関係について検討することを目的とした。米粉を用いて一般的な製法でパンを作製するとともに,S-S結合を切断するために還元剤を添加した還元剤添加米粉パンを作製した。作製した各試料の体積測定,走査型電子顕微鏡によるパン断面の微細構造の観察を行った。各試料中のS-S結合の状態を網羅的に調べるために,非還元条件下で二次元電気泳動を行った。その結果,コントロールの米粉パンと比較して,還元剤添加米粉パンでは体積が有意に減少した。また,各試料の断面の微細構造を走査型電子顕微鏡によって観察した結果,多孔構造が観察され,還元剤添加量の多い米粉パンほど小さくなることが明らかになった。非還元条件下での二次元電気泳動の結果,米粉パンでは,還元剤添加の有無,添加量による試料間のスポットに大きな違いは見られなかった。体積測定や顕微鏡観察の結果から,米粉パンでは分子内でのS-S結合がパンの膨張性に関与している可能性が考えられた。(著者抄録)