抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究は,交通まちづくりの目標の実現に資する土地利用・交通施策の制度的側面のうち,過年度プロジェクトで十分には取り上げてこなかった“多様な主体間・分野間の連携や役割分担”に着目し,その実態やそれを支えるしくみに関する検討を行うことを目的とした。具体的には,年度内に5回の研究会を開催し,メンバー・ゲストからの話題提供に基づいて討議を行った。成果と報告書の概要を以下に示す。第一に,交通施策の基本理念や主体ごとの責務などを定めた交通政策基本法を取り上げ,交通基本法案(のちに廃案)以来の検討の経緯と,フランスの国内交通基本法との対比を通じた特徴について報告された。これを踏まえ,「交通権」の取り入れ方や,国と地方の役割分担/補完性原理などについて議論した。第二に,2014年に成立し施行された都市再生特別措置法等と地域公共交通活性化・再生法の改正,ならびに関連して改定された都市計画運用指針について,その内容と,考えられる制度上・実施上の課題を報告・討議した。第三に,上述の制度改革が「コンパクトシティ・プラス・ネットワーク」の実現を目指すものであることを踏まえ,その理念と実際の全国的な現状を分析した。具体的には,地方中枢・中核都市を主な対象に,都市計画マスタープランにおける「多核連携型コンパクトシティ」の扱われ方を把握するとともに,計画で位置付けられている拠点への商業・医療施設の集積状況と,拠点間を結ぶ公共交通サービスの状況について,現在の実態を明らかにした。これを受けて,自治体の計画立案に有用な知見をどう得られるかや,計画論への展開可能性に関し議論を行った。第四に,過疎地有償運送の運営に関わる側面のうち運転手と資金の確保に着目し,その方法と実態および自治体・運営主体・市民の各主体が果たす役割を,アンケートとインタビューにより調査した研究が報告された。結果,各事例レベルで多様な実践があると同時に,大元の制度自体にも課題が残されていることが改めて把握された。以上のほか,研究会で議論した中から,ユーカリが丘ニュータウンの開発手法の評価や,米国デンバー市における公共交通指向型開発の動向に関する研究・論考を,報告書にまとめている。(著者抄録)