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J-GLOBAL ID：200902210147100260   整理番号：08A0795984

醤油醸造における麹菌多糖類分解酵素の機能解析

著者 (3件)： 北本則行 (愛知県産業技術研 食品工技セ) ,  安田(吉野)庄子 (愛知県産業技術研 食品工技セ) ,  和久豊 (ビオック)
資料名： 醤油の研究と技術  (やさしい醤油の技術)
巻： 34  号： 4  ページ： 231-236  発行年： 2008年07月25日 
JST資料番号： S0308B  ISSN： 1349-9823  CODEN： SKGHAF  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 解説  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 麹菌多糖類分解酵素が醤油醸造において担っている役割を明らかにするために,特定の多糖類分解酵素を特異的に生産する麹菌,ほとんど生産しない麹菌を作出し解析した。醤油麹菌のキシラン分解酵素遺伝子群発現誘導因子であるAoxlnRとデンプン分解酵素遺伝子群発現誘導因子であるamyRの遺伝子破壊麹菌の取得を行ったところ,前者ではキシロシダーゼ活性およびキシラナーゼ活性が対照株と比較して0.2%および検出限界以下へのそれぞれ低下し,後者ではタカアミラーゼ,グルコアミラーゼ,αグルコシダーゼの遺伝子発現量が著しく低下していた。また,これらの遺伝子破壊株の醤油醸造特性を調べたところ,総窒素,窒素利用率は対照株と大きな差は認められなかった。色度は対照株の17番に対し,AoxlnR破壊株では19番,amyR破壊株では22番となっており,着色を抑制することが可能であることが示された。さらに簡易的な圧搾性を調べたところ,amyR破壊株の液汁量は対照株およびAoxlnR破壊株の約1.2倍になった。麹菌の強力なプロモーターであるTEF1遺伝子下でセルラーゼC遺伝子高発現株(TCC-93株),セルラーゼD遺伝子高発現株(TCD-48株),セルラーゼE遺伝子高発現株(E-1株)を作出し,醤油醸造特性を調べたところ,TCD-48株の醤油粕減少量が多く,同一諸味当たりでは13.4%,液量当たりでは19.9%の減少であった。TCD-48株とE-1株の混合使用では,醤油粕減少量は液量当たりでは麹混合で23.1%,種麹混合で21.1%の減少となった。醤油の成分は,TCC-93株,TCD-48株,E-1株で,対照株よりも総窒素,全糖,グルタミン酸濃度,ホルモール窒素などで高い値が得られた。

シソーラス用語： *醤油 ,  醸造 ,  麹菌 ,  微生物育種 ,  キシラナーゼ ,  キシロシダーゼ ,  *遺伝子破壊 ,  アミラーゼ ,  グルコアミラーゼ ,  醸造副産物 ,  遺伝子 ,  *セルラーゼ ,  遺伝子発現 ,  プロモーター領域 ,  *酵素 ,  酵素活性度 ,  プロテイナーゼ ,  *醤油醸造 ,  醤油粕 ,  遺伝子発現調整 ,  分子遺伝現象 ,  遺伝
準シソーラス用語： TEF1遺伝子 ,  タカアミラーゼ ,  遺伝子発現調節 ,  *多糖類分解酵素 ,  *澱粉分解酵素

分類 (2件)： 発酵調味料  (FK04030S) ,  菌体の生産  (FK03040W)

タイトルに関連する用語 (5件)： 醤油醸造 ,  麹菌 ,  多糖類 ,  分解酵素 ,  機能解析