抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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群馬県内のカキ産地の一部では,固形アルコールを入れたポリ袋にあらかじめ輪ゴムを通しておき,果実をヘタの部分も含めて密封する樹上脱渋処理(慣行法)を行っている。この慣行法は作業性を改善するために開発されたが,通常のアルコール脱渋や炭酸ガス脱渋では認められない,独特のコリコリとした食感が得られるとともに,果肉中の褐斑が多く入り,糖度が高く,食味が極めて良い果実を生産することができ,果皮色が濃暗紅色になり,果実の肥大が良く,日持ちが良いので,地域の特産品として販売ができると考えられる。群馬県の主要品種である不完全渋カキ「平核無」では9月下旬に慣行法による袋かけを行い,10月下旬から11月上旬に収穫して,農産物直売所を中心に販売している生産者が増えつつある。しかし慣行法では,袋かけ処理を9月中旬に行うとヘタ枯れによる落果が多くなるとともに,10月中旬に行った場合には汚損果が多くなる。カキのヘタを出して,輪ゴムでポリエチレン袋を止める樹上脱渋処理について検討した。その結果,ヘタを出した袋かけ脱渋法では,従来の方法に比べ果実品質は変わらず,脱渋のための袋かけ作業時間は40%程度,収穫作業時間は50%程度短縮された。この方法では,袋かけを早めても落果はほとんどなく,汚損果の発生も少ないため,袋かけに適した期間を大幅に拡大できた。