抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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全環研酸性雨調査研究部会の第4次酸性雨全国調査以降2003~2006年度の4年間継続して有効データの得られた39地点の湿性沈着データを用いて,アジア大陸側から北西の季節風が卓越する冬季のデータを中心に,越境汚染について解析した。主要イオン成分濃度および沈着量等の年平均値および冬季の月平均値から,アジア大陸に近い地理的要因を持つ,JS(日本海側)およびWJ(西部)で冬季の濃度および沈着量が高い傾向がみられた。冬季のnss-SO
42-沈着量などの経年変動から,JSおよびWJにおいては,降水量は増加していないにも関わらず,nss-SO
42-沈着量の増力傾向が確認された。また,nss-SO
42-沈着量などの平均経年変化量から,WJおよびWJに近い地点では,nss-SO
42-沈着量の経年的増加傾向が明らかになった。さらに,同地点ではNH
4+,H
eff(=H
++2NH
4+)およびΣN(=NO
3-+NH
4+)沈着量ともに経年的増加傾向を示した。冬季の風向およびアジア大陸に近い地理的要因を考慮すると,JSおよびWJにおいてアジア大陸側からの越境汚染の影響が大きいことが示唆された。また,WJおよびWJに近い地点では,その影響が年々増大している可能性が推測された。さらに,酸性物質のみならず,土壌酸性化や窒素負荷の観点から,アンモニアの挙動も考慮に入れた越境汚染の影響についても,今後注視していくことが必要であると考えられた。(著者抄録)