抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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中国における水稲ジャポニカ型良食味品種の開発の一環として,中国人の中国産水稲ジャポニカ型品種の食味に対する嗜好性に裏打ちされた食味官能評価方法を確立するために,中国華北地域産品種を用いて日中両国のパネル構成員が異なる場合での食味評価の比較検討を行った.総合評価では,日本人パネルと中国人パネルとの間には有意な正の相関関係が認められ,パネルが異なっても中国産水稲ジャポニカ型品種の総合評価の傾向は同じであった.しかし,品種別に総合評価をみると,日本人パネルでは劣ったにもかかわらず中国人パネルでは優れる品種の存在が認められた.評価が異なった理由としては,日中両国間のパネルで総合評価における外観,味,粘りの評価が著しく異なったことが考えられた.これらの知見から日本人の嗜好性とは異なる良食味品種育成の方向性と可能性が示唆された.次に外観,味および粘りについても日本人パネルと中国人パネルとの間には有意な正の相関関係が認められ,パネルが異なってもこれら評価項目における値の傾向は同じであった.一方,硬さについては日中両国パネル間で有意な相関関係は認められなかった.総合評価に対する各評価項目の寄与は日中両国間のパネルで異なり,日本人パネルでは粘り,外観が,中国人パネルでは硬さ,粘りの寄与が大きかった.特に,硬さについては日本人パネルは軟らかさを,中国人パネルでは硬い方をより好むという硬さの嗜好性に大きな違いが認められた.(著者抄録)