抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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平成24年度から全面実施された学習指導要領では,中学理科に「月の運動と見え方」が追加されている。学習者が「月の満ち欠け」を理解するのが難しいのは,1)教科書やワークシートなどの平面図から立体モデルをイメージできず図の意味を十分に理解できない,2)球に光を当てたときにできる陰の様子を想定できない,3)地球上の任意の点に観察者の視点が設定できないためである。本研究では,「月の満ち欠け」のこれらの課題を解決するために,拡張現実(AR)技術を用いた教材を開発した。AR教材は,タブレット端末のカメラで撮影したワークシートの画像上に3Dモデルを重畳表示するものであり,身体動作に合わせて視点を変えてモデルを観察できる。新潟県の公立中学校3年生180名を対象に2012年10月~12月にかけて,宇宙の広がり,地球の運動と天体の動き,月と惑星の見え方の教育を行い,理解度をテストするプレテストを行った。そしてプレテストで完全正答できない生徒のうちの25名を対象に,AR教材を使った補習を行ない,ポストテストを実施するとともに主観評価を実施した。そして,1か月後に理解度をテストする遅延テストを行った。ここではAR教材は用いず平面図のみによって回答させた。その結果,AR教材が学習者にとって有用であることが示された。また,学習者がAR教材を使用して「月の満ち欠け」を理解するプロセスを確認した。