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J-GLOBAL ID:201402284102857011   整理番号:14A0765559

量子論の広がり-非局所相関と不確定性-AdS/CFT対応とエンタングルメント

Entanglement, Renormalization and AdS/CFT Correspondence
著者 (3件):
資料名:
巻: 69  号:ページ: 361-369  発行年: 2014年06月05日 
JST資料番号: F0221A  ISSN: 0029-0181  CODEN: NBGSA  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 解説  発行国: 日本 (JPN)  言語: 日本語 (JA)
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重力を含む全ての力を統一すると期待される超弦理論は,AdS/CFT対応と呼ばれる重力理論と場の理論の等価性(ホログラフィー原理)を予言する。近年,この考え方を量子多体系の物理や物性物理学へ応用する動きが高まっており,高温超伝導体などに代表される強相関量子多体系において,普遍的と期待される性質が重力理論を用いて盛んに解析されている。その中でも特に「エンタングルメント・エントロピー」と呼ばれる,量子多体系の量子状態の量子的なもつれを測る指標が注目を集めている。ホログラフィー原理に基づくと,量子臨界点にある量子多体系のエンタングルメント・エントロピーは,反ド・ジッター空間中の「曲面の最小面積」で与えられる。従来の複雑な計算方法と異なり,このホログラフィック公式は相互作用する系に適用可能な新たな解析方法である。一方,量子情報理論および数値物性理論では,量子系の波動関数を,しばしばテンソルネットワークと呼ばれる形式で表示し,波動関数に含まれるエンタングルメントの見積もりが行われる。ホログラフィー原理とテンソルネットワークは,一見何の関係もないように見える。ところが最近の研究では,テンソルネットワークを用いて異なったエネルギースケールでのエンタングルメントの記述を考えると,自然に反ド・ジッター空間中の曲面の構造が現れることがわかってきた。このように,エンタングルメント・エントロピーを通じて,量子多体系,量子重力理論,量子情報理論の間の関係性が明らかになりつつある(本文図1参照)。特に,ホログラフィック公式とテンソルネットワークの類似性は,重力理論における時空そのものが量子エンタングルメントの集合体であるという,全く新しい見方を提起している。本記事では,ホログラフィック公式を中心に,この3つの分野におけるエンタングルメント・エントロピーに関する最近の発展を解説する。まず2節では量子多体系のエンタングルメント・エントロピーを導入し,強劣加法性などの基本的性質について述べる。また,エンタングルメント・エントロピーのスケーリングが,量子多体系の種々の相を区別するのに有効な指標であることを見る。...(著者抄録)
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分類 (2件):
分類
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量子力学一般  ,  一般相対論及び重力理論 
引用文献 (26件):
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