抄録/ポイント: 抄録/ポイント
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本研究開発は,未利用熱エネルギーである太陽熱や下水熱,汚泥熱を利用して下水処理場の消化槽を加温するシステムの構築を目指し,より多くのバイオガスを市街地で再生可能エネルギーとして有効活用する試みである。開発システムの特長等について,以下を述べた。1)太陽熱温水器の温度別利用技術の開発:ユニット化された1枚の太陽熱温水器の入口温度と出口温度,および,それぞれの流量と水圧を常時計測して,温度が低い場合には,2枚目の太陽熱温水器を通して温水を更に加温することで,必要な温度が得られるようなマルチセンサーとスマートバルブを組み合わせたシステムの開発を行う。2)熱回収HP給湯温度による最適効率運用システム技術開発:給湯温度が60°C以上に昇温するとヒートポンプの効率が著しく低下するので,太陽熱温水器で加温した低温の温水や,消化汚泥の保有熱を用いて下水処理水から熱交換した熱媒体を昇温することで,高効率運転が可能となるようなヒートポンプシステムとその制御方法を開発する。3)消化汚泥保有熱の熱回収技術開発:現状では消化槽から排出される汚泥の保有熱は全く活用されていないため,この保有熱を回収するための新たな熱交換器の開発を行う。全国の下水処理場に消化槽と本システム導入で発生したバイオガスで発電すると,その発電量は100万kW級の発電所に相当することになり,年間約54万tのCO
2削減効果が見込まれ,地球温暖化防止に大きく貢献できると考える。