抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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宇宙機における主推進装置である二液式スラスタの設計開発では,着火衝撃や燃焼振動などの非定常な現象の予測が求められている。本論文では,低圧常温におけるN
2H
4/NO
2-N
2O
4平行ガス噴流の詳細化学反応モデルを用い,着火現象の理解を目的とした3次元衝突ガス噴流解析について述べた。二液式スラスタでは自燃性を有する燃料と酸化剤を推進薬として利用し,燃焼効率を向上させるために液体同士を噴射衝突させるので,流入ガス温度が400Kと600Kの場合の着火までの過程を比較した。その結果,数値解析結果の流れ場では予熱帯に発生するHONOが生じ,N
2H
4とNO
2の予混合火炎的な振舞いが見られた。また,着火位置は400Kでは燃料・酸化剤衝突面より下流,600Kでは衝突面直上流及び直下流となり,衝突ガス噴流の流入温度によって流れ場の構造は大きく変わることがわかった。一方,N
2H
4/NO
2混合ガスの0次元着火解析結果と比べ,双方ともに着火までの時間が約4倍長くなり,衝突ガス噴流における着火時間は化学反応による着火遅れが支配的であることが示唆された。