抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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福島県鮫川村の地域振興の観点から,未利用資源(カボチャ)の利用による新たな商品開発を目的に,微生物資源の検索として,村花のヤマユリの花から焼酎製造に利用できる発酵性酵母の分離と,分離した酵母によるカボチャ焼酎製造について検討した。ヤマユリの花から3株の発酵性酵母を分離することができた。既存焼酎酵母によるカボチャ焼酎製造の試みとして,仕込み配合(カボチャ使用割合の検討)によるアルコール生成を検討したところ,米を併用する試験区5(カボチャと米(蒸米として使用))の仕込み配合が,最もアルコール濃度が高く,また官能的にもほのかなカボチャ特有の香気が含まれたことより,仕込み配合として良いとの結果を得た。さらにヤマユリの花から分離した酵母によるカボチャ焼酎の製造では,分離酵母のLL-3株およびLL-7株は,焼酎酵母(A-11株,A-12株)に比べ,約1%低いアルコール生成濃度であったが,カボチャ焼酎製造に利用できうる結果であった。また香気特性においては,A/B比(香気バランス)は,焼酎酵母が2.12(A-11株)から3.06(SH-4株)であったに対し,LL-3株の4.42,LL-7株の3.08とむしろ高い値を示し,特にLL-3株はエステル(酢酸エチル15.3ppm,酢酸イソアミル1.3ppm)も生成していることから,華やかさのある香気特性を示した。さらに官能評価においても,LL-3株の焼酎は,ほのかなカボチャ特有の香気を有し,米焼酎や芋焼酎とはまた違った香りのある焼酎を製造することができた。したがって,ヤマユリから分離した酵母(LL-3株)を用い,カボチャと米を併用することにより,鮫川村の資源を活用したカボチャ焼酎製造ができえる結果を得た。(著者抄録)