抄録/ポイント: 抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
研究において,波力のみならず,潮流発電,太陽光発電そして風力発電等の全てを複合させた,ポンツーン型の大型浮体を適用した海洋再生可能エネルギー複合施設を提案している。特に波浪中性能を左右する波力発電システムと発電性能を評価することで,将来的な実現に向けて具体的な課題を抽出することを目的として実施した。さらに要素技術として,潮流発電用水車の単体性能,維持管理用海中ロボットの検討や浮体下面での状況評価方法も合わせて検討した。波力発電には振動水柱(OWC)型を適用した。本方式では,発電機に直結する空気タービンは海上に設置可能であり,維持管理という観点で有利である。OWC型波力発電装置が複数搭載された大型浮体の弾性挙動やその際の1次変換特性の評価においては,支配方程式である速度ポテンシャルのラプラス式を境界積分方程式に帰着させ,グリーン関数法により定式化された境界積分方程式を離散化して数値的に解く方法を採用した。波力発電は,風力発電などと比較して構造物規模に対して大きな定格出力は見込めないが,大型浮体を適用した海洋再生可能エネルギー複合施設では,風力発電を含めた他の再生可能エネルギーを利用できる点で,大きな可能性を見いだせる。波の上下運動を直接電気エネルギーに変換できるリニア発電機は,空気タービン式の発電機よりも効率向上に有利である。リニア発電機を用いた浮体装置を将来的に検討することを目指し,3次元の磁場解析シミュレーションを行った。その結果,誘導起電力の周期も時間とともに変化することを確認した。本研究で提案した複合施設のようなコンセプトはますます増えていくと考えられる。また,発電制御技術やインバータ開発などを直接的に波力発電所や潮流発電研究に組み込むことで,更なる装置の高効率化を実現できると,考えられる。