抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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二光子励起顕微鏡の登場により,観察が困難とされてきた硬い石灰質に囲まれた骨組織内部を生きたままで観察することが可能となり,骨髄腔内で血液が流れる様子や骨髄腔における破骨細胞の動態を動画像として取得することが可能となった。しかし,細胞の観測に必要な細胞の動態の検出と追跡は現在専門家の手作業によって行われており,自動化が課題である。破骨細胞はアメーバ状細胞の一種であり,細胞核をもつ本体が仮足と呼ばれる細長い突出で繋がる構造をしている。動画像には実際には仮足で繋がっているはずの細胞同士が,ある時間では途切れている場合が多々存在する。それらは本当にちぎれている場合もあれば,撮影条件や細胞の活動状況等の理由で動画像に現れない場合もある。本研究では,このようなアメーバ状細胞の観測されない潜在的な細胞の一部も含めて検出し,追跡する手法を提案する。細胞追跡とラベル付けには,Global Data Associationという手法を利用し,確からしいトラックレットの集合を1本のトラックに繋ぎ直して,追跡とラベル付けを行う。専門家の手による正解データと比較した結果,再現率88%,適合率83%で細胞を検出・追跡できた。グラフカットによる領域分割は,再現率59%,適合率96%であり,提案手法は再現率で大きく上回った。また,グラフカットでは検出できなかった潜在的な細胞の一部について検出できたと思われる領域分割も見られた。(著者抄録)