抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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・本研究では,polyvinyl alcohol(PVA)が主成分である洗濯のりとpotassium iodide (KI)を原料に従来の化学線量計とは異なる反応性を持ち,高感度で,人体に安全で,作製が容易で,コストが安く,安全に廃棄処理し易い特徴を持ち,ゲル線量計の中で放射線の可視化にすぐれた特性を持つ”ゲルインジケータ”を開発。
・洗濯のりにKIを添加した系へのX線照射において,透明から鮮やかな赤色に変化する現象を基に,ゲルインジケータを研究開発。
・X線照射はX線照射装置を使用し,照射条件(管電圧:150kV,管電流:20mA,フィルタ:Al 0.5mm+Cu 0.1mm,線量率:2Gy/min)で試料に対し0.5Gyずつ照射し,積算した吸収線量が10Gyになるまで照射。
・X線照射実験において,KI 8wt%,5wt%のゲル試料を光路長1cmのポリスチレン製ディスポーザブルセルに封入し,X線照射後,ファイバーマルチチャンネル分光器システムを使用し,300nm-600nmの領域での吸光度を測定。
・PVAとKIの水溶液へのX線照射による赤色の発色は,水溶液中のKIがX線照射により酸化され,I
2を生成し,I
2とKIからなるI
3-1と部分ケン化型PVAが反応し,赤色に発色したと予想。
・吸収線量0.5G~10GyにおけるKI 8wt%試料の紫外可視分光測定の結果,490nmに極大を示し,吸収線量の増加ととも吸光度が増大する傾向が判明。
・また,吸収線量と吸光度の関係を1次関数に近似した傾きは,KIの量の増大に対して増加し,この結果は,PVA-KIゲルの放射線に対する感度はKI量に依存することを示唆。