抄録/ポイント: 抄録/ポイント
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農福連携の課題や意義を包括的に考察するためには,障害者雇用から労働全般に視野を広げ,労働者の技能習得過程に生起する現象を踏まえる必要がある。遊休農地を耕作して雇用創出や就労支援を試みるアクションリサーチを実施したところ,若年就労困難者やホームレス労働者の参加を得られたが,参加者の多くは指導者が出す指示に依存して受動的に作業をこなすだけであり,自律性を高めようとすると数多くの課題に直面した。これらの事例を「修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ」に基づく分析に供し,「自律性を高める過程における課題の変化」を明らかにした。生成された35概念は,[動作][認知][前提知識][作業][観察][意思決定]の各カテゴリーに分類された。変化は,指導者に指示されずに行動するようになる第1段階と,さらに「作物に指示を受ける」ようになる第2段階から構成され,参加者の主体性の変質ないし,指導者と参加者,作物の三者間関係の変容と捉えられた。ただし,第2段階の変化を引き起こすために何が必要かは未解明のまま今後の課題として残された。(著者抄録)