抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
撹拌槽型晶析装置では,母結晶が撹拌羽根に衝突することにより母結晶の角が削れ,大量の摩耗微結晶が生成される。そのため,晶析槽内の結晶個数を制御するためには,摩耗微結晶の生成に対する結晶種類や撹拌操作条件の影響を定量的に把握することが求められる。本研究では,硫酸カリウムとカリミョウバンをモデルケースとして,結晶の種類や,撹拌翼回転数や装置サイズなどが異なる条件を対象に,シリコーンオイルで満たされた撹拌槽の中での摩耗微結晶生成量と母結晶の摩滅量の経時変化を実験的に定量化した。その結果,母結晶摩滅比率と撹拌翼回転数が同じ条件で比較した場合,カリミョウバンと比較して硫酸カリウムの摩耗微結晶生成速度は大きく,母結晶の摩滅が進行しても微結晶生成速度の低下は緩やかであることを明らかにした。すなわち,硫酸カリウムの摩耗微結晶は,カリミョウバンと比較して生成されやすく,母結晶の角が丸みを帯びても微結晶生成が持続する傾向であることがわかった。また,本実験で定量化した丸みを帯びた母結晶からの微結晶生成速度を,結晶の角が尖った母結晶に対して母結晶の材料特性を考慮して導出されたGahnとMersmannによる微結晶生成モデルと比較した。両者は,結晶種類の影響に関して定性的には同じ傾向を示すことを確認した。(著者抄録)