文献
J-GLOBAL ID:201802237674142237   整理番号:18A1640137

アジサイの花色変異の謎を解く

Insight into Color Variation in Hydrangea
著者 (3件):
資料名:
巻: 223  号:ページ: 231-240  発行年: 2018年08月01日 
JST資料番号: S0046A  ISSN: 0919-9772  CODEN: FFIJER  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 解説  発行国: 日本 (JPN)  言語: 日本語 (JA)
抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
アントシアニンからの青色の花色発生の機構は非常に興味深い主題である。花弁において,通常着色細胞は,表皮および/またはアントシアニンが液胞に溶解する組織の第二層に位置する。したがって,着色の機構を理解するためには,着色液胞の操作が不可欠である。アジサイ(Hydrangea macrophylla)は非常にユニークな花である。我々が花と呼ぶものは真の花弁ではなく,実際には萼である。萼の色は容易に変化する色相で良く知られている。20世紀初期において,土壌の酸性度が高くなるほど萼のAl3+含有量が高くなり,萼の色がより青くなることが既に知られている。今日まで,1つのアントシアニン成分,デルフィニジン3-グルコシド,および3つの共色素成分,3-O-カフェオイル,5-O-カフェオイル,および5-O-p-クマロイルキナ酸が同定されており,赤から青へのすべての色がこれらの同じ成分から展開されていることが報告されている。この現象に興味を持ち,化学機構を説明することを試みた。本報では,アジサイの青色の発達と色変化に関する最近の研究についてレビューした。セルラーゼとペクチナーゼによる青と赤の萼の処理によりプロトプラストを調製し,反応混合物から着色プロトプラストを収集した。微小分光分析と微小電極による直接液胞pH(pHv)測定の組み合わせにより,細胞色が青いほど,pHvが高いことを検証した。着色細胞における有機および無機成分の定量分析により,青色および赤色細胞間において5-O-アシルキナ酸とAl3+含量に有意差が観察されたことを明らかにした。得られたデータに従って,それぞれ青色および赤色細胞の測定されたpHvにおける成分を混合し,それらの細胞と同じ色を再現することができた。青色錯体の必須な構造を明らかにするために,種々の非天然共色素を設計し合成し,それらの共色素を用いて青色錯体の実験を行った。5-O-アシルキナ酸における1-C00H,1-OHおよび5-エステル,およびアントシアニジン発色団のB環におけるカテコール構造は,安定な青色を与えるためAl3+との錯体を形成するために必須であることを確認した。Vis,CD,NMRおよびMS測定と組み合わせて,アジサイの青錯体の構造を明らかにした。青色錯体は,キレート化と非キレート化構造の間の平衡下で存在し,これは,アントシアニジン発色団とキナ酸エステルのけい皮酸アシル部分との間の疎水性相互作用を示している。(翻訳著者抄録)
シソーラス用語:
シソーラス用語/準シソーラス用語
文献のテーマを表すキーワードです。
部分表示の続きはJDreamⅢ(有料)でご覧いただけます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。

準シソーラス用語:
シソーラス用語/準シソーラス用語
文献のテーマを表すキーワードです。
部分表示の続きはJDreamⅢ(有料)でご覧いただけます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。

分類 (2件):
分類
JSTが定めた文献の分類名称とコードです
植物の生化学  ,  植物生理学一般 
物質索引 (4件):
物質索引
文献のテーマを表す化学物質のキーワードです
引用文献 (30件):
もっと見る
タイトルに関連する用語 (3件):
タイトルに関連する用語
J-GLOBALで独自に切り出した文献タイトルの用語をもとにしたキーワードです

前のページに戻る