抄録/ポイント: 抄録/ポイント
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鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)およびコンクリート充填鋼管(CFT)構造と同じ構造特性を有する新しい構造システムとして,著者らは,十字型鋼材だけにコンクリートを充填する鋼コンクリート柱-鋼梁合成構造の開発に取り組んでいる。著者らは,過去数年間にわたって,この新構造システムにおける柱部材と露出型柱脚の力学的挙動を確認し,適切な設計によって良好な耐震性能の提供が可能となった。さらに,柱と露出型柱脚の復元力特性のシミュレーションモデルを提案した。次に,この新構造システムの実用化のためには,柱梁接合部の構造特性を調査し,設計法を提案する必要がある。本論文では,一定の軸圧縮力と繰返し水平荷重の下での構造試験を通して,鋼コンクリート柱-鋼梁構造の内部柱梁接合部の力学的挙動を確認した。実験パラメータは,柱梁接合部の選択された補強方法で,以下の補強タイプを選択した。すなわち,(a)外ダイアフラムタイプ,(b)内側スチフナタイプ,および(c)外ダイアフラムと内側スチフナとを一緒に用いる組合せタイプ。パネルゾーンの破壊が柱と梁の破壊より早く起きるように,すべての供試体を設計した。主な議論を,破壊状態,極限強度,および履歴特性に集中した。試験結果は,柱梁接合部を含む部分骨組は,層間変形角3.0~4.0%ラジアンまで安定した履歴挙動を示し,破壊はパネルゾーンに集中することを示した。さらに,大サイズの外ダイアフラムを有する柱梁接合部の極限強度と靭性は,内側スチフナタイプの柱梁接合部に比べて優れることが分かった。外ダイアフラムタイプでは,梁のフランジからパネルゾーンの直交フランジまで伝達する引張応力が増加した。さらに,外ダイアフラム,垂直スチフナ,および鋼フランジによって囲まれたパネルゾーンのコンクリートは,拘束作用のために大きな歪に耐えることができる。これは外ダイアフラムを有する柱梁接合部が有利な構造特性を示した理由である。SRC構造のAIJ設計基準に従って,柱梁接合部の極限強度の計算値を,鋼ウェブの強さとパネルゾーンにおけるコンクリート強度の合計に対して計算した。柱梁接合部の極限強度は,AIJ設計基準に基づく方法によって安全側に評価できることが示された。さらに,AIJ設計基準に基づく方法に直交フランジの強度を加えることにより,それを合理的に評価できることを確認した。三次元非線形有限要素解析を,「FINAL」を用いて実施した。解析値は柱梁接合部の極限強度の到達までの実験結果をよく予測し,鋼材の最大主応力が調べられた。引張応力が垂直スチフナを通して直交フランジに伝達されることを確認した。(翻訳著者抄録)