抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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はじめに:本論文では,東日本大震災の前後の発電形態と電力供給量のために,全国に合計530万台の固体酸化物燃料電池(SOFC)と高分子電解質燃料電池(PEFC)を設置し,運転する場合の数値シミュレーションを行った。多数の家庭用燃料電池コジェネレーションシステム(FCCGS)が設置され運転されるときの一次エネルギー削減量を計算する。分散電源としての家庭用FCCGSの導入効果の評価を行った。多数の燃料電池が設置されると,グリッド電力の電力負荷が軽減する。比較的非効率的発電設備の運転は減少し,グリッド電力の一次エネルギー消費単位も減少する。家庭用FCCGSを導入した非住宅においても,一次エネルギーが削減される可能性がある。本論文ではこの点についても考察した。日本の将来のエネルギーミックスを考慮して,多数の燃料電池を導入するとき,一次エネルギー削減量を調べることが重要であると考えられる。研究方法:日本における9つの一般的な電力会社の各電力供給範囲に対する対象地域は9地域であり,各戸建住宅と集合住宅が対象住宅である。戸建住宅の住宅モデルについては,日本建築学会の住宅に対する標準的な問題モデルを使用し,集合住宅に対しては,1つの回廊型プレートタイプの中間階/中間住宅モデルを用いた。全国の戸建住宅に対する平均U値0.82W/(m
2・K)および共同住宅に対する0.68W/(m
2・K)。熱負荷計算のために,熱負荷シミュレーションソフトウェアTRNSYS Ver16を使用した。各都道府県の各対象住宅の時間毎空調負荷を計算した。気象データについては,気象庁がウェブ上で公開している1時間ごとの気象データ,照明,各種機器の加熱データについてSCHEDULEデータを用いて計算した。気象データは2010年と2012年を用いた。燃料電池のセルスタックの種類は,高分子電解質(PE)と固体酸化物(SO)の2種類である。PEFCは,1日1回起動および停止するために,対象地域,季節,住宅タイプおよび運転方法に対して起動時間を設定する。始動時間は,冬,夏の季節,および中間期における最も寒い日から代表的な日として決定される。SOFC設置住宅では,温水貯蔵タンク容量を満たした後の余剰熱は,ラジエータ(ファン電力消費:4.8W)で大気に放出される。家庭用FCCGS運転中の余剰電力は,電力系統に流れる。FCCGSの発電が電力需要に追随するとき,各効率は部分負荷における性能曲線を用いて変化する。【結果】結果は以下の通りである。燃料電池の運転方法と比較して,定格運転を行う場合,一次エネルギー削減量は大きい。電力供給形態に関して,総一次エネルギー消費は両方のケースで減少するが,FC住宅の一次エネルギー消費は原子力発電所で増加する(2010年)。原子力発電所を含む発電形態の場合,グリッド電力の一次エネルギー消費強度が小さいため,一次エネルギー削減量は比較的小さい。原子力発電所がない場合,一次エネルギー削減率は約0.6から1.3%である(2012年)。(翻訳著者抄録)