抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究では,複数のエージェントが領域を自律的に分割して協力し合うマルチエージェント巡回問題において,不要な領域の分断を抑え,作業を効率化する手法を提案する.大規模な空間の巡回問題では,ロボットなどのエージェントの物理的,能力的限界から,複数のエージェントの協調巡回が必要である.また,一部のエージェントが故障しても対応できるように,各エージェントの自律的行動が求められる.複数のエージェントが協調して巡回を行う際の手法に,領域をボトムアップに分割し,各分割領域をそれぞれのエージェントが担当する手法がある.この手法では各エージェントの担当領域内での作業量が均一となる分割が必要だが,領域を環境の状態に応じて動的に変化させる際に,あるエージェントの担当領域が他の担当領域によって分断されることもある.この分断された領域が多数発生すると,エージェントは自担当領域を巡回するために,他のエージェントの担当領域を通過する必要があり,これが効率を低下させることがある.他方,領域の形状や充電基地の設置条件によっては,負荷分散の観点から領域の分断が必須なこともある.そこで不要に分断された領域を他のエージェントに譲渡する交渉を加え,エージェントの無駄な他領域の通過を抑える手法を提案した.評価実験により,提案手法が分断された領域の数を抑え,他領域の通過を抑制する効果的な領域分割が得られることを示す.(著者抄録)