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J-GLOBAL ID:201702283436794122   整理番号:17A0216357

株枯病菌を接種したイチジク苗木における病徴の進展過程(2)宿主細胞の防御反応と内部病徴に関する解剖学的検討

著者 (4件):
資料名:
巻: 82  号:ページ: 310-317(J-STAGE)  発行年: 2016年 
JST資料番号: F0893A  ISSN: 0031-9473  CODEN: NSBGAM  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 原著論文  発行国: 日本 (JPN)  言語: 日本語 (JA)
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イチジク株枯病は,我が国のイチジク栽培地域で蔓延している病害であり,枯死を引き起こす.本研究では,株枯病菌接種苗木の光学顕微鏡観察により,宿主細胞内での本菌の分布,本菌が宿主細胞に及ぼす影響について検討し,通水機能停止の過程について考察した.接種7日後個体では,接種部において菌糸が接種穴と隣接する道管およびその周囲の軸方向柔細胞,放射柔細胞,木部繊維内に観察された.二次代謝の活性化に起因する着色物質は,菌糸の周囲の軸方向柔細胞,放射柔細胞内および道管と木部繊維の細胞壁にみられた.接種部より5cm離れた部位では,菌糸が道管および周囲の柔細胞に局所的に観察された.着色物質の蓄積も,接種部と比較するとごくわずかであった.萎凋開始個体の接種部では,肉眼観察で確認された木部の変色部において,菌糸が道管,木部繊維,軸方向および放射柔細胞,髄の細胞内に観察された.また,菌糸が認められた細胞およびその周囲の細胞内に,黄色~褐色の着色物質が観察された.形成層細胞内には,核が存在しているものが多く観察され,細胞の生存が認められた.従って,形成層の壊死を経て葉の萎凋が起こったとは考えられない.森田らの通水機能の解析と,本研究による内部病徴の細胞レベルの観察結果から,本菌接種によるイチジク枯死の仕組みは,以下のように推測される.(1)接種穴から,本菌の菌糸が主に道管を介して伸長する.(2)道管周囲の柔細胞類は防御反応を起こし,黄~茶褐色の物質を生産して分泌する.(3)本菌の分布拡大により変色部が拡大し,接種部付近の横断面で通水停止部分が増加する.(4)葉に届く水分量が著しく減少し,萎凋症状が発現して枯死に至る.(著者抄録)
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分類 (4件):
分類
JSTが定めた文献の分類名称とコードです
果樹  ,  菌類による植物病害  ,  植物形態学・解剖学  ,  植物生理学一般 
引用文献 (18件):
  • Feder, N. and O’Brien, T.P. (1968). Plant microtechnique: Some principles and new methods. Am. J. of Bot. 55: 123-139.
  • Hillis, W.E. (1987). Heartwood and Tree Exudates, pp. 157-162, Springer-Verlag, Berlin, Heidelberg, New York, London, Paris, Tokyo.
  • Holbrook, N.M. and Zwieniecki, M.A. (2005). Vasucular Transport in Plants, pp. 470-471, Elsevier Academic Press, San Diego, CA, U.S.A.
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  • Kajii, C., Morita, T., Jikumaru, S., Kajimura, H., Yamaoka, Y. and Kuroda, K. (2013). Xylem dysfunction in Ficus carica infected with wilt fungus Ceratocystis ficicola and the role of the vector beetle Euwallacea interjectus. IAWA J. 34: 301-312.
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