抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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299名の死者・行方不明者を出した1982年7月の長崎豪雨から約30年が過ぎた。斜面崩壊地では崩壊後,次第に植生が回復し土層が形成され,斜面の不安定性が増す結果,地質特有の再来周期に達し再崩壊すると考えられる。本研究では,長崎豪雨で生じた斜面崩壊地を対象に土層形成と植生回復との関連づけを試み,斜面崩壊の準備過程に関し検討した。調査地は現在は崩壊の範囲が判別できないほど常緑広葉樹に鬱蒼と覆われ,地表は見えない。地形は約30~40度の,そこに立つことも難しい傾斜であるが,基盤上面の構造及び土層形成量を反映して交互に緩傾斜と急傾斜が階段状を呈する。緩傾斜地では下方に向かって土層厚が増加し,急傾斜地では減少する。土層の薄い場所に比べて土層の厚い場所と,下方に向かって土層厚が減少する場所で樹木の数が多く,直径が大きい。土層形成速度は平均約0.19cm/年であり,崩壊までの土層形成に要する時間は平均約185年,最大約263年と推定された。