抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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2006年にFAO/WHO合同食品規格委員会は,コメに含まれるCdの国際基準値を0.4mg/kgと制定した。これを受けて,厚生労働省はCdの国内基準値を0.4mg/kgに改訂することを検討している。国内基準値がこの値に改訂されると,現在Cdを0.4~1.0mg/kg含む準汚染米を算出する水田は新たな対策を迫られることになる。従来の主要な対策技術である「客土」は,費用が高く,大量の非汚染土壌を必要とする。「客土」に代わる技術として,植物を用いた土壌浄化技術(ファイトエキストラクション)に取り組んだ。浄化植物は水田で栽培が容易なイネを選び,Cdを良く吸収する品種,長香穀,IR8,「もうれつ」を現地試験に供した。浄化稲の栽培は,Cdの吸収が最大になるよう水管理を行い,収穫は籾と藁を分けて収穫する。最適の水管理は,移植後約30日(温暖地)~50日(寒冷地)は湛水条件で,その後は落水条件にする。この水管理で浄化稲を栽培した後,跡地に食用イネ品種を栽培したところ,早期落水をしなかった場合に比べて,食用イネの玄米中Cdは40~50%下がった。浄化稲の収穫・乾燥は,籾と藁は分けて行い,それぞれフレキシブルコンテナに詰めて,透湿防水シートで覆って,約2ケ月水田に置く,「現場乾燥」をした。現場乾燥で藁の水分は70%から40%に下がるので,焼却費用が約半分になった。玄米はバイオエタノールなどの原料に有効利用できる。浄化稲をこの方法で3回栽培した場合の費用は75万円/10aで,土壌中のCd濃度を20~40%下げられた。客土工法では費用が520万円/10a以上になる。