文献

J-GLOBAL ID：201102243029190321   整理番号：11A0289050

芋焼酎に検出されたローズオキサイドの生成機構

Estimation of the mechanism for cis and trans rose oxides formation in sweet potato shochu.

著者 (7件)： 高峯和則 (鹿児島大 農) ,  吉崎由美子 (鹿児島大 農) ,  島田翔吾 (薩摩酒造) ,  高屋総一郎 (鹿児島大 農) ,  玉置尚徳 (鹿児島大 農) ,  伊藤清 (鹿児島大 農) ,  鮫島吉廣 (鹿児島大 農)
資料名： 日本醸造協会誌  (Journal of the Brewing Society of Japan)
巻： 106  号： 1  ページ： 50-57  発行年： 2011年01月15日 
JST資料番号： F0481A  ISSN： 0914-7314  CODEN： NJKYES  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 芋焼酎の中にローズオキサイドはシス体およびトランス体が検出され,それぞれ0.8~4.6μg/Lおよび0.3~1.9μg/Lであった。ローズオキサイドの閾値は25%アルコールでは0.35μg/L,芋焼酎では14μg/Lであった。閾値での評価は「甘い」,「華やか」,「バラ様」であった。ローズオキサイドは一次もろみとサツマイモからは検出されなかった。モデルもろみ(pH4.2,アルコール15%)を30°Cで5日間加温するとシトロネロールからローズオキサイドへ変換された。しかし,ネロール,ゲラニオール,リナロールおよびα-テルピネオールからは変換されなかった。シトロネロールからローズオキサイドへの変換は蒸留工程およびモデルもろみをpH3.5以下にすることで促進された。麹菌と酵母によるシトロネロールからローズオキサイドへの変換は確認されなかった。シトロネロールはゲラニオールを前駆体として酵母により変換されたが,麹は変換に関与しなかった。以上のことから,ゲラニオールから酵母の微生物的変換作用により生成したシトロネロールが発酵過程で酸触媒による化学的変換作用によりローズオキサイドに変換し,蒸留工程で変換が促進されることが明らかになった。(著者抄録)

シソーラス用語： *焼酎 ,  *機構 ,  食品成分 ,  閾値 ,  官能検査 ,  もろみ ,  サツマイモ ,  蒸留 ,  麹菌 ,  酵母 ,  *化学反応 ,  脂環式化合物 ,  オレフィン化合物 ,  不飽和アルコール ,  単環モノテルペン ,  鎖状モノテルペン ,  脂肪族アルコール ,  ジエン ,  *芋焼酎 ,  微生物
準シソーラス用語： 官能評価 ,  *生成機構

分類 (2件)： 食品の分析  (FJ01030U) ,  酒類一般  (FK04021Y)

物質索引 (8件)： cis-ローズオキシド ,  trans-ローズオキシド ,  α-テルピネオール ,  ゲラニオール ,  シトロネロール ,  ネロール ,  リナロール ,  ローズオキシド

引用文献 (15件)：

• 高峯和則. 醸協. 2008, 103, 601-606
• 太田剛雄. 醸協. 1991, 86, 250-254
• 栗山謙一. 醸協. 2005, 100, 817-823
• 神渡巧. 醸協. 2006, 101, 437-445
• 川崎通昭. におい物質の特性と分析・評価. 2003, 57-68

タイトルに関連する用語 (3件)： 芋焼酎 ,  ローズ ,  オキサイド